エナメル質(えなめるしつ)は歯の歯冠の最表層にある、生体で最も硬い硬組織である[1]。このエナメル質と、象牙質、セメント質、歯髄で歯は構成される。通常目に見える部分がこのエナメル質であり、象牙質に支えられている。象牙質の支持がなければエナメル質は硬くてもろいため、容易に折れてしまう。96%は無機質で残りが水と有機質であり、色は明黄色からネズミ色がかった白色である。エナメル質の下に象牙質がない端の部分では、青みがかって見えることもある。半透明であるので、エナメル質の下にある象牙質や歯科修復材料の色が歯の外見に強く影響を与える。厚さは部位により異なり、多くの場合、切端部、咬合部で最も厚く(2.5mm以上)歯頸部(エナメル-セメント境)で最も薄い。
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無機質は大部分がリン酸カルシウムの結晶である。他に、炭酸や、約四十種類の微少元素が含まれる。微少元素の構成割合はエナメル質の深さ、加齢、地理的条件によって異なる。無機質が多いため、エナメル質は硬いが脆い。エナメル質と比較すると、象牙質は結晶化の程度が低く、硬さは低いが、脆さも低く、エナメル質を支えるのに必要であり、象牙質の支えの無いエナメル質は容易に破折する。
有機質については、象牙質や骨と異なり、エナメル質はコラーゲンを含まない。代わりにアメロゲニン、エナメリンなどのエナメルタンパクが含まれている。