ハルバード(Halberd)は、15-19世紀のヨーロッパで主に使用された武器である。ハルベルトあるいはハルバート(Halbert)とも呼ばれる。語源は、ドイツ語で「棒」を表すハルム(halm)と「斧」を意味するベルテ(berte)からなる造語であるとする説がある。
「斧槍」「鉾槍」などと日本語訳される。ハルバードの長さは2.0メートルの物から3.5メートル程の物まで(種類による)、重さも種類にあわせて2.5キログラムから3.5キログラムの物と様々である。槍の穂先に斧頭、その反対側に突起(ピック)が取り付けられている。状況に応じた用途の広さが特徴的なポールウェポンの完成形であり、その実用性から、ヨーロッパ全域で広く使用されていた。
その形状のからわかる通り、少なくとも切る、突く、鉤爪で引っかける、鉤爪で叩くといった、4つの使い方が可能という多芸な武具である。斧部分のおかげで槍兵の戦闘力は倍増し、さらに鉤爪で鎧や兜を破壊したり、馬上から敵を引き摺り降ろしたり、敵の足を払ったりと、多彩な使い方を可能にしている。それ故に重量自体も重く、多芸な為にそれぞれの性能の武器を器用に使いこなし使い分ける適切な判断と迅速な対応を必要とし、故に扱える者は限られていた。
生誕地はスイスで、6世紀から9世紀に北欧で使用されていた。13世紀にはスクラマサクス(片刃の短剣)を棒の先に取り付けた事から始まったと言われていた。ただの槍であるスピアに比べて、斧部分により槍兵の戦闘力は倍増したとされる。白兵戦武器の黄金時代ルネサンスの頃には最も利用された武器の一つで、中国の戟と酷似する点が多い。
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16世紀には、5メートルもの柄を持った槍(パイク)が登場するが、熟練者の武器としてハルバードの戦場での歴史は、16世紀終わりのマスケット銃の登場まで続くこととなる。
武器としての完成度もさることながら、その洗練された美しさには美術品としての価値もあり、戦場から遠のいた後も、儀礼用として様々な祭典に使用された。