低血糖症は、空腹時低血糖と食後低血糖に大きく分けられ、その分類法は診断に大いに有用である。
症状
ウィップルの三徴(Whipple's triad)を呈する。
発作時低血糖(50mg/dL以下)
中枢神経症状を伴う低血糖発作
ブドウ糖の静脈注射による急速な回復
症状は、空腹・欠伸・悪心で始まり、倦怠感が強くなり、やがて発汗などの交感神経症状が現れる。さらに低血糖が進行すると、異常行動が出現し、深昏睡に至る。
代表的な原因
糖尿病治療薬、ペンタミジン、キニーネなどによる薬剤性
副腎不全(副腎皮質ホルモン剤の急な中止など)
インスリン産生腫瘍(インスリノーマなど)
肝不全
重篤な慢性疾患(癌などなんでも)
肝細胞癌はそれそのものがインスリン様物質(IGF-II)を産生し、低血糖症の原因となることがある(腫瘍随伴症候群)
自己免疫性低血糖(インスリン・インスリン受容体・膵島β細胞に対する自己抗体による)
緊急対応
治療は緊急を要する。糖質の多い飲食をさせたり、50%ブドウ糖液を20-40ml静注することで多くは回復する。それでも意識が回復しない時は、ヒドロコルチゾンを静注。それでもまだ意識が回復しない時は、マンニトールを静注する。
意識障害患者には、血糖を確認することなくCT検査をすることは禁忌である。
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食後低血糖 [編集]
胃切除後、ダンピング症候群などでみられる。 糖尿病のごく早期には、あまりに高い血糖値を下げようと大量にインスリンが分泌され、かえって低血糖症をひきおこすことがまれにある。
反応性低血糖症 [編集]
食事等で糖となるものを摂取した時、急激に血糖値が上昇したあと、ごく短時間で標準値未満まで一気に血糖値が下降し、この時にさまざまな症状がでるのが反応性低血糖症である。
無反応性低血糖症 [編集]
糖負荷検査で30分おきの採血検査を行なっても、採血の間隔より短い時間のうちに血糖値の上下を頻繁に繰り返している。 血糖値の変動がグラフ化した際に一見平坦な曲線で現れるため、無反応性低血糖症と呼ばれる。慢性疲労症候群やうつ病と診断されることがある。反応性低血糖症より重症であることが多く、自殺念慮を持つこともある。
検査
5時間糖負荷検査(計9回の採血)が必要である。特に血糖値の下降は2時間以上たってから起きる場合が多いので、一般的な2時間で行われる糖負荷検査では低血糖症は発見できない。また通常の血液検査で発見することは難しい。これは、血糖値の低さそのものよりも血糖値の急激な下降が原因のひとつだからである。
症状
強い疲労感、日中特に昼食後の眠気、集中力の低下、物忘れ、めまい、眼のかすみ、呼吸の浅さ、ふらつき、日光が眩しい、甘い物への渇望感、胃腸が弱い、口臭、失神発作、偏頭痛、鬱病・パニック発作など多岐。糖がエネルギーとして燃焼されにくくなるため、肥満ぎみになることがある。低血糖症であると副腎も酷使されるので、副腎が抗アレルギー作用をもつホルモンを十分に作れなくなり、アレルギーが起こりやすくなることがある。
すべての症状が発生するわけではない。
対処
ぶどう糖を摂取すれば一時的に症状を抑える事が出来る。緊急の場合はこれで対処する。治療には糖尿病と同様に、食生活を改善する必要がある(糖分の摂取制限、およびバランスの取れた各種栄養素の積極的摂取)。十分な睡眠や適度な運動も症状の改善に重要である。
ヒト以外の動物における低血糖症 [編集]
イヌではインスリノーマを原因とすることが多く、神経症状、虚弱、失明を引き起こす。ブタでは出生直後は糖新生系酵素が不完全であるために低血糖を引き起こしやすく、神経症状を示す。